[書評] 内田 樹 / 『知に働けば蔵が建つ』
内田 樹 / 『知に働けば蔵が建つ』 / 2008-11-07 / 文春文庫 / B+
基本的にはブログ「内田樹の研究室」の内容を掲載したものなのですでに既読の文章ばかりなのですが、それでも目から鱗がぽろぽろ落ちる快感を味わえる良本。
ブログで読んで楽しんでも、こうやって紙で/本という形態で、読み直してみるのはまた違った喜びを感じます。手触りというか。
今回一番面白かったのは、裏表紙の紹介文にも引用されている「雑学と教養の違い」というお話。 私は学部が「教養学部」だったこともあって、この教養という知のあり方にこだわりを持っています。 実際の生活では教養がある人というよりは雑学がある人と思われている私ですが、その違いがこの本で的確に指摘されています。
雑学というのは、一問一答。「富士山の高さは何メートル?」「ストックホルムシンドロームって何?」といったかんじ。
一方で、教養というのは既知のモノ・コトから、組み合わせたり/推測したり/ひねったり/飛躍したりして未知のモノ・コトに対応できる力(ちから)のこと。なるほど〜。
教養は情報ではない。なるほど〜。
教養とはかたちのある情報単位の集積のことではなく、カテゴリーもクラスも重要度も全く異にする情報単位の間の関係性を発見する力である。
雑学は「既に知っていること」を取り出すことしかできない。教養とは「まだ知らないこと」へフライングする能力のことである。(p.11)(原文では強調は傍点)
私が教養があるとは見なされず雑学があると思われて終わってしまうのは、こういう「他との結びつき」ができていないからなんでしょうね。
修行が足りませんでした。
でも、これは楽しい修行になりそうです。
Amazon.co.jp: 『知に働けば蔵が建つ (文春文庫)』
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