[書評] 石原 千秋 / 『中学入試国語のルール』
石原 千秋 / 『中学入試国語のルール』 / 2008-03 / 講談現代新書 / B
本書に書いてあることは、他の石原さんの入試国語シリーズとさほど変わらない。 本書の特徴は、新書というフォーマットであること、実際に過去問を解きながら石原さんの解説が加わっていること。
で、実際に有名中学校の国語入試に出題されている問題を解いてみてびっくり。
有名校の問題、難しすぎ〜。
中堅校はどうってことはなかったけど、これを小学校6年生に解かせているのかと思えばやはり難しすぎ〜。
私を個人的に知っている方は私の学歴や読書量、批評癖をご存知だと思いますが、有名校の問題は本気で難しかった...
通勤電車の中でのいい頭の体操にはなったけど、いや本当に驚きました。
本書で石原さんが指摘していること、警鐘を鳴らしていることでもありますが、「国語入試は道徳教育になっている」点、小説問題では「気持ちを読む(読み取る)」テストになっている点、評論では「常識に異議を唱える」問題が出題される点、テストなので自分がどう考えるかより「正解」にたどりつくことが何より大切である点、などを考えると、少々暗澹としてきます。
ここまで難しいと、その問題を解くためのテクニックと訓練が必要で、それはやっぱりゆがみがあるよなぁと思わざるを得ないですね...
そこで大事なのは、「素直に考えてはダメで、ルールとルールの背景にある出題者の暗黙の期待を知らなければいけない」という点。
(A)「あなた(生徒)はどう考えますか?」ではなくて、(B)「私(出題者)はどう考えていますか」を問われているのだ、と視点を切り替えておくこと。
うーん。
もちろん、石原氏もそこは分かっていて、「PISA:生徒の国際的学習到達度調査で日本の成績が低いのは、このせい。PISAでは(A)を問われるけど日本の国内のテストは(B)を問われる、と指摘しているし、あとがきでも、正解至上主義に毒されないでね、と述べている。
日本の教育/入試のおかしさはいろいろあって、「やり過ごす」「迂回する」「割り切る」などいろいろな対処方法はあるけど、「割り切る」を選択するときには、本書は有効。 (もっとも、本書にかぎらず石原さんの著書全般についても言えることですけど)
Amazon.co.jp: 『中学入試国語のルール (講談社現代新書 1935)』
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